某県に行った際、レンタカーを借りた。
何かあった時に記録が残るのはいいことだと思っていた。
私の前にレンタカーを借りた人の記録を見るまでは。
ドライブレコーダーを眺めて、「これ、記録見れるのかな?」と思い、
持っていたカードリーダーにマイクロSDカードを差し込み、ノートパソコンと接続する。
レンタカー屋でここまで走ってきた自分の走行動画が見る。機種に依るのかもしれないが、1ファイルあたり1分程度。
今いるところまでは10分くらい運転したので、10ファイルしか入っていないはずだったのが、
全部見るつもりはなかったけど、興味本位でフォルダごとコピーしてしまった。
私の前にレンタカーを借りた人たちは、
のようだった。
ドライブレコーダーは当然のことながら、運転風景を映すため、運転手は映らない(タクシーに載っている機種は違うようだ)
女性同士の会話は他愛もないものだったけど、声だけで年齢や風貌を想像するのは楽しかった。
仕事でレンタカーを借りた男性は、運転しながら終始謝っていたり、上司らしき人に状況報告をしていた。
客先からきたクレーム処理のため、レンタカーを借りたのかもしれない。
男性は急いで運転しているので、信号が変わりそうなタイミングでも交差点に突っ込んでいく。
そのたびに、「チッ」という舌打ちとともに、「あー、ここで人轢いたら、今の仕事辞められんのかな」と言っていた。
交通事故を起こし「今の仕事辞めさせられる」ならまだしも、「今の仕事辞められんのかな」というのはどういう心境なんだろう。
クレーム処理のため駆りだされ、荒っぽい運転をし、交通事故を起こしてまで仕事を辞めたいと呟く男性。
いや、交通事故を起こしてまで辞めたいとは思っていなくても、今の仕事を辞めるためにはここまでしないと辞められない現状なのかもしれない。