歯が痛かったので歯医者に行った。
歯周病だったから、悪化したのかなと思ってた。そしたら、虫歯だって。もう神経までいってて、神経抜くしかないって、言われた。
麻酔を打った。体がぶるぶると震え出した。子供の時のトラウマがよみがえる。まずい、怖い。痛かったらどうしよう。我慢できなかったらどうしよう。涙が出てきた。まずい、ここで泣いたらめっちゃだせえ。笑いもんだ、だって私28だし。涙を堪えた。様子を察した歯科衛生士?が、大丈夫ですか、と尋ねた。途端に涙がぶわーっと出てきた。観念し、「すみません、(嗚咽)、怖くて、(嗚咽)」とウワーン状態。
え〜(笑)という空気が充満した。すみません、すみませんと言いながら嗚咽を止めるのに超必死になる。いや、私だって、まさか神経抜くのに号泣とか(笑)とは思ってる。歯医者で号泣とか大人になってから初めてだし、自分でも戸惑う。
なんとか嗚咽を止め、治療が再開された。しかし涙が止まらない。口ぱかーんと開けながら、次々と流れる涙をお姉さん(おそらく歳下)に拭かれる。それこそ涙出る。医者が追加で次々と麻酔を打った。私はお母さんを想った。お母さんが私を産んだ時のことを想った。体の中から内臓を引きずり出される痛み、それを麻酔なしで、経験したのだ。出産は命の危険を伴う。私は間違いなく命の危険をはなく、麻酔ありで何十本もある歯の神経を抜くだけである。お母さんすごい、超マジリスペクトする。私こんなんで子供産めるんだろうか、彼氏いないけど。
ようやく涙が止まり、おとなしく治療を受けた。何度も大丈夫か確認された。治療が済み、同僚に何かを聞かれた医者が、「神経質なのかもしれない」と答えていたのが聞こえた。私の治療を担当しなかった人が、私にこえをかけ、顔をまじまじと見ていた。恥かしい。もう来たくない。でも来ないといけない。
怖いのは他にもある。高いところも、虫もだめ。NGワードもある。子供に返って泣いてしまう。そういうのってすごく面倒くさい。みっともなく恥かしい。生きて行くのがつらい。
感覚過敏症かも。 自分もそのような感じで、怖がり過ぎたり、感動し過ぎたり、音などに驚き過ぎたり、 苦手な生地の服があったりと、我ながら大袈裟だと感じることが色々とある。 ...