不良グループは3つありA, C, Rとする。
最初はA, C, Rの3グループは仲良かったが、俺はそいつらが気に食わず、メンバーに対して暴行などをしていた。反撃をされたりもしたが、俺もそれなりにケンカが強かったので、微妙なバランスでそれが成り立っていた。
ただ、ある事件がきっかけで、俺は3グループの連中の前で、土下座をして仲間に入れてもらうことになった。ただ、あくまで格下の扱いだった。
そのうち、Cグループはリーダーも変わり、その正当性に疑問が持たれたこともあったが、AもRも新しいリーダーを承認した。
そんな中、AとC + Rの抗争が始まった。「土下座事件」で土下座をさせながらもうまく取り持ってくれたのがAだったことから、俺はAの側につくことになり、Aの庇護の元で、楽しい高校生活を送っていた。一応、Aグループのメンバーと思われていたので、誰も俺に手を出すことはできなかったし、女子からももてた。かといって、抗争に直接係ることもなかったからだ。
Aグループの圧倒的な勢力の中、CとRの方は崩壊寸前で、誰からも相手にされなくなっていた。勝ち組についていた俺は、高校生活を謳歌した。
ところが、AとC + Rの抗争が終わり、AとCはことのほか仲良くなった。もともとAとCは仲良かったわけだから、当然のことなのだが、今までAとC + Rの抗争の中で、高校生活を楽しんでいた俺には、納得がいかない事態だった。Aは俺との関係は維持しつつ、Cとも仲良くするようになった。
ただ、土下座事件の前に、俺が特にひどく暴行したのがCのメンバーだったこともあり、Cは俺のことを目の敵にしていた。AとCが仲良くなれば、俺の立場は危うくなる。それはなんとしてでも避けたかった。
そこで、俺は、一計を打った。「土下座事件なんか過去のことだし、もう忘れて対等な関係で行こうぜ」と宣言したのだ。
ただ、これは大失敗だった。AはもちろんRまで反発した。俺の発言は、A, C, Rがかつて仲良しだったことを思い起こさせ、俺の立場をさらに低下させることにしかならなかったのだ。
さすがに、各グループのメンバーもちょっとは大人になっているので、これといった動きはない。ただ、これからCグループに攻撃されたとき、Aが助けてくれないかもしれないという恐怖が、急に現実味を帯びてきた。いまだにどうすれば良いか分からないで困っている。