2013-10-14

恐怖政治

 長いこと、私は恐怖政治によって支配されていた。

 怒られたくない、嫌われたくない、バカにされたくない……そういった恐怖から逃れるために、行動を選択して生きてきた。

 怒られたくないから朝起きるのがつらくても学校仕事に行き、嫌われたくないから愛想を振りまいてみたり、バカにされたくないか勉強したり働いたりした。

 しか恐怖政治というのは長くは続かないもので、クーデターが起きた。

 朝起きられなくなり、うまく笑えなくなり(そもそも楽しい感情がわかなくなり)、働くのに必要な思考能力ががくんと低下した。

 クーデターを鎮圧させるには長い休養と投薬が必要となった。結局勤め先はクビになった。

 混乱に乗じて、やりたい放題になった部分もあった。

 オタク呼ばわりされるのが怖いからという理由で20年以上避けていたアニメを、進んで見るようになった。マンガも、それまでは大人向けのものを読むようにしていたけれど、萌え系や少年マンガもどんどん読んだ。ライトノベルも読み始めた。

 大した読書家でもなく文章だって下手なくせに、小説を書き始め、ライトノベルなら書けるかも、などと勘違いをして、新人賞に応募したりした(当然、落ちた)。

 混乱が収まるにつれ、それらも落ち着き始めた。

 アニメマンガライトノベルにそれほどのめり込む気持ちがなくなり、勘違いしていた自分が恥ずかしくなり、ワナビだった自分に笑ってさよなら

 さて、これからどうしよう? どうしたいのか? 

 恐怖で自分を押さえ込むのはもうたくさんだ。またクーデターが起きたらかなわない。

 だったら恐怖以外の、好奇心とかそういう類いの気持ちを利用して何かしようと思うんだけど、どうもうまく行かない。

 結局、恐怖以外に私を動かすものが、私の中にほとんどないみたい。

 アニメマンガ読書は、おもしろものなら見たり読んだりしたい。だから何もやる気がしないわけではないのだけど、それらは受動的なものばかり。

 何か能動的で、やりたいこと(趣味レベルでもいいから)が欲しいんだけど、ないものはない。いくつかやってみたけど、長続きしない。

 あるとすれば、こんな拙い文章をネットに書き散らすことくらい。

 あーあ。つまんない。

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