2011-06-19

原発周辺の見積

 地震が起こる何ヶ月か前のこと。

 会社唐突にどこかの見積仕事がきた。

 何をいくつという列挙があるリストをもとに、実際に調達するとしたらいくらかかるか、という見積だ。

 製品名と型番の指定が多いリストだった。

 いま思い出すと、リストだけみたらなんの仕事かはわからなかっただろう。

 工事現場に関するほにゃらら、のようなリスト

 それは原発原発に関連する工事現場見積だ。

 リストを見る前に、最初に、「原発」とか言われたので、内容を聞く前に「やらない」を連発した。それから工事現場云々だよという話をきいたのだけど、見たり聞いた後でも「やらない」と連呼してみた。理由は「巻き込まれるのが嫌だし、この社にそのような事態に対応できる体力も知力も財力もないから」。何に「巻き込まれる」かというと、当時はさすがに、事故がおきたとき何らかの責任を問われるのでは、とかではない。たとえば自分建設反対運動に身を投じて、悪質なことを考え、関連しようとする企業に何らかの嫌がらせをする、としたら、危険だということである

 結局やらなかった。

 そもそも会社が何らかの判断をもって、そういう仕事にあたる、ならまだましだが、何も考えず判断せずに、社会的微妙もの仕事の一端に関わろうとしているので、全力で拒否した。

 地震が起きて、原発が大変なことになって、「やらなくて良かった」と何となく言われた。

 何となく嫌で、何となく良かった、な感じ。

 その程度の「何となく」な問題意識しかもっていないのが、そもそもこの国において、原発に対しての未来をあやふやどころか危険にしている原因の1つなのだろうなあ、とも思った。

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