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2020-12-23

懐中しるこはいざ食べてみるとそんなに美味いものだとは思わないのだが、冬になるとなぜか食べたくなってしまう。お椀の中に入れた最中の上から熱湯を注いで、皮がふやけた頃に箸で潰して食べる。最中の皮を口に入れると舌の上でなんだかヌメヌメして、この感触を味わうと、急に冬が来た感じがするのだ。

そんなことを思い出しながらアパートの自室でお椀に懐中しるこを入れて、お湯を注いでいた。最中の皮と小豆の粉の香ばしい匂いがすぐに立ち上ってくる、と思ってお椀の上から匂いを嗅ぐと、ずいぶんスモーキー香りがする。コーヒー豆焙煎していてもこんな香りにはならないはずだ。どこかで誰かがゴミを燃やしているような。

外で誰かが叫んでいる。窓を開けて道路を見下ろすと、道に立っている男性と目が合う。こちから見て右手を指しながら、カジ、カジと繰り返している。

指差す方角を見ると、黒い煙が立ち込めている。というか、二件隣のアパートから煙が出ているらしい。

スマホ仕事用のPCと、そのへんにあるものリュックに詰め込んで、コートを来て外に出ると、煙で周囲が霞んでいる。

木造アパートがこんなに早く燃えるとは知らなかった。建物全体が炎に包まれて、内部でしきりに何かが弾ける音がする。消防車が着くと直ちに放水を開始したけど、なかなか火の勢いが弱まらない。

警察が来て周囲を封鎖したので、自室に戻れなくなった。集まってくる野次馬に混じって消火活動を眺めるくらいしかやることがなかった。煙を吸ったせいか少し気分が悪くなった。

ツイッター検索すると、ニュース速報がすぐに出てきた。ヘリコプターで上空から消火活動をとらえた映像を見ていると、なんだかすべてが嘘っぽく思えた。

奇跡的に焼け残った自分の部屋に戻れたのは結局2時間以上経ってからだった。何もかもが焦げ臭い懐中しるこはすっかり冷めて、お椀の中で泥のようになっていた。

出火元のアパートは全焼した。住人は今夜どこで寝るのか。ごめん、家が焼けちゃったか今日泊めてくれない?と頼む状況は現実に発生するのだろうか。

翌日、Yahoo!ニュースに載った記事を見ると、どうやら放火しかった。

またツイッター検索すると、焼けた建物は、近所に本部があるフェニミスト協会合宿所だと言っているアカウントが見つかった。合宿所がどういうところなのか見当もつかなかったが、たんなるアパートではなかったらしい。いままで何も知らずに前を通り過ぎていた。

この放火は、先日、百人町であったフェニミスト連合拠点爆破に対する報復だと指摘しているアカウントも見つかった。

最近、フェニ連とかフェニ協とか似たような名前を見かけるけれど、それが何をしている団体なのか、なぜ争っているのか、よくわからない。自分日本平和ボケしているのだろうか。これほどの強烈な悪意と敵意を持って暴力応酬を続けている団体が近所にあったことに、ちょっと実感が持てないでいる。

 
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