当方、医療機関に勤めている。新型コロナウイルス(以下、コロナウイルス)対策のために(40畳用の)空気清浄機を導入しようといろいろ調べてみた。
厚労省が コロナウイルス下における夏季の換気についての文書を出している(※1)。その中でインフルエンザウイルスに対して市販の空気清浄機がどの程度効果があるかという趣旨の論文(※2)を引用している。
それによると、ウイルス除去能はHEPAフィルターの有無と風量に大きく依存しており、プラズマクラスターとフラッシュ・ストリーマ放電は効果がなく、ナノイーは効果は芳しくないとされている。(先日、シャープがプラズマクラスターがコロナウイルス除去に効くと発表しましたが、市販品の100万倍以上だった場合の結果のようで、叩かれていましたね)
2. 加湿機能について
加湿機能についてはウイルス云々は別にして付属しない方がいい。なぜなら、空気清浄機のフィルターの中は細菌が繁殖しており、加湿器が付属することによって機体の温度・湿度共に上昇しフィルター中の細菌がさらに増えるから。加湿機能欲しい場合は別に購入した方がいいわな。
3. フィルター交換時期について
フィルター交換期間が10年とされている商品が多いが、何人かの業者さんから聞いたところ ありえない とのこと。長くとも2年が限度。実際、無菌調剤室のクリーンベンチでもHEPAフィルターの交換期間は(業者にもよるけど)1~3年ぐらいだし。どちらにせよフィルターが詰まれば機体が通知してくれるので、交換時期に関してはカタログ値は意味がないかもしれない。
4. 実際に浄化される体積
空気清浄機の気流は狭い範囲(通常 10m2 程度、6畳程度)でしか効果がない(※1)ためサーキュレーターで空気を循環させた方がいい。
機体内を通る空気をUVCで除菌してくれる空気清浄機もある。ちゃんと機能するならフィルターで除去するよりもウイルス除去能は高いと思われる。ただ、あまり種類が出揃っていないようで情報がない。(少なくとも私には見付けられない)
結局、HEPAフィルターを備えていて できるだけ洗浄能力が高く、かつ静かなものを選ぼうと思っている。
候補としてはダイキンの業務用(ACEF12L-W)かブルーエアー(Classic 605)かなぁ。
(Classic 605はフルパワーだと62dbでうるさいけども)
あと、厚労省が店舗等における空気清浄機の性能要件を示してくれるといいんだけどな。
※1
熱中症予防に留意した「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について [令和2年 6月17日]
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000640920.pdf
※2
高性能の空中浮遊インフルエンザウイルス不活化を謳う市販各種電気製品の性能評価
独立行政法人国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター
西村 秀一
http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0850050537.pdf
紫外線を使った空気清浄機については下記コラムが参考になるかもしれません。
上手な空気殺菌機の選び方
つまり簡単にまとめるとプラズマークラスターやナノイー機能の付いたエアコンを買えということですね
ウイルス除去を目的とするならプラズマクラスターもナノイーもよした方がええやで