この事業はコーチ・ユナイテッドという会社がやっていて、2013年にクックパッドに10億円で買収された。
しかし、その後伸び悩んで4年後には8.7億円の減損の対象となり、最終的には今回のサービス終了に至った。
コーチ・ユナイテッドの創業者である有安氏は、今日では日本を代表する著名なエンジェル投資家の一人だ。
起業家としての実績は、2007年に作った会社を5年間で売上1億の会社にしてクックパッドに売ったということだが
残念ながらその事業に長期的な価値はなかったことが、その後の推移では明らかになっている。
だが、スタートアップブームの初期に、当時としてはそこそこインパクトのある金額でEXITした実績で今も上手くやっているようだ。
いわゆる先行者利益という奴だが、いささか実績と知名度に乖離がありすぎるような気がしないでもない。
同様のケースは意外と少なくない。
やたらとファンの多い「けんすう」こと古川健介氏が興したnanapiも、昨年にサービスを終了している。
当時の記事を読むと、まだ会社が伸びている間に大企業に傘下に入ることについてもっともらしく語っているが
本人は先がないことをわかっていて売却に動いたのかもしれない。
それはそれで起業家としては優れた判断であり、会社を売って億単位の金を手にしたことは間違いなく大きな成功と言える。
が、結局の所、長期的に生き残る事業でなかったのだとすれば、それは単なる売り抜けに過ぎない。
そういう売り抜け的な実績を持つ人が、事業を語り、アマゾンやグーグルなどを引き合いに出しているところを見ると正直ヘドが出る。
そしてメディアに積極的に出てきて語るのは、大概にしてそういうタイプの人だ。
なぜなら、今まさに人々に使われているサービスと向き合っている起業家は、そんなことをしている暇はないからだ。
そういう人の話は、表には簡単に出てこない。