2016-02-07

自宅マンションエレベーターが怖い

簡単に言うと、高校生の頃に痴漢に遭ったからだ。

実際被害に遭ったのはエレベーター内ではなくて、郵便受けの集合してるところだったけど、私が一番怖いのはエレベーターだ。


犯人は、マンションに入る前から後ろを尾けてきて、私が開けたオートロックのドアをくぐって、後ろから抱き着き、胸を揉んだ。

幸い(というのも変な話だけど)リュックを背負っていたおかげで、振りほどくのは難しくはなかった。

振り返って犯人を睨むと、そこには汚いなりの、おっさんがいた。「やらせろ」と、私にすごんできた。

「は?」と返すと、一転して、情けない声で、「やらせて」と頼んできた。

私は、ただ睨んで、「は?」と返すことしかできなかった。

数秒後、おっさんは逃げていった。

私は、おっさんが去るのを見届けた後、1人で泣いた。

しかったのと、怖かったのと、情けなかったのと、色んな気持ちでぐちゃぐちゃだった。

なんで睨んで「は?」と返すことで精いっぱいだったのだろう。

なんで後ろからあんなのがついてきてるのに気が付かなかったんだろう。

なんであんなのから狙われなきゃいけないんだろう。

あんなのにすら、「やらせろ」ってすごんだら抵抗できないほど弱く見えたのか。

もしも郵便受けに寄らずにエレベーターに乗り込んでいたら、どうなっていたのか。

そこまで考えて、ぞっとした。


交番に行こうと思った。犯人に部屋番号を知られてしまっているからだ。

でも結局行けなかった。私は私が損なわれたこんな話を、冷静に話せる自信がなかった。

本当に信用している友人ただ一人にだけ、その場で連絡をして、なぐさめてもらった。


あの最低の出来事から、3年か4年か、それくらいは経った。

私はあれ以来、マンションへの帰り道は数メートルごとに周囲を見渡さないと気が済まないし、誰かと一緒にエレベーターに乗り込むことが出来ないし、周囲に誰もいないことを徹底的に確認しないとエレベーターには乗り込めない。

その様子を客観視したら多分私の方が不審者めいているだろうなとは思う。

他人に害を及ぼさない人に警戒の目を向けるのも、相手に失礼だな、申し訳ないな、と思う。

でも、警戒せずに歩いていた結果があの出来事だったのは間違いないのだ。



世の中の人たちは、性別わず痴漢に慣れてしまっていると思う。

女の子たちの間では、今朝電車痴漢に遭った、という話がひっきりなしに交わされる。

ちょっと触られたくらいでぎゃーぎゃー騒いでんじゃねえよとか、ブスのくせにうるせえな、痴漢されたってことは女として認められてるんだろとか言う人もいる。性別わず言う人がいる。

私のこの出来事だってちょっと無い胸揉まれたくらいで!と言う人思う人が絶対にいる。

触られたことは勿論不快だった。

でも、私がこの出来事で一番気持ち悪く思ったのは、「見知らぬ他人が、自分勝手に性の対象として見ていた」ということだった。

ちょっと体に触られた」出来事なんかじゃなくて、自分性的視線が取り巻いていたということを、気づかせた出来事だった。

気が付かなかっただけで、今までもそういう視線はあったんだろうし、そして少なくとも自分が「若くて弱そうな女」である内は、これからもそういう視線から逃げられないのかもしれないということ。

恐怖でしかなかった。「触るのはいけないけど、見るだけなら何もしてないんだからいい」という考えを持っている人は一定数いると思う。見られている側は本当に気持ち悪いからやめてあげてください。

すっかり疑い深くなってしまって、全然そんな視線を寄越していない人に対しても、簡単には信用をおけなくなってしまった。



痴漢系のAVとか漫画とかを見かけるたびに、そういうのつくってるやつらとか、喜んで消費してるやつらとか、ほんと死ねって思ってる。

なにがちょっと触っただけだよ、触ってない見てるだけだよ、そういうやつら全員死んでくれ。

痴漢で騒ぐブスうるせえとか言うやつ、うるせえのはお前だよ、死んでくれ。

痴漢冤罪で儲けようとしてるやつもふざけんじゃねえよ死んでくれ。

書いててだんだん泣きそうになってきたし、もう今まで言わなかった分の死ねって感情ぜーんぶぶつけたい。





痴漢は当たり前だけど犯罪なんだよ。それくらいわかってよ。

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