ここにはいろんな人がいる。
無口でほとんどしゃべらない人、饒舌でのべつまくなしにしゃべる人、
黙もくとパソコン作業に打ちこむ人や、なんのあてもなくネットサーフィンに興じる人。
一応、日ごとのカリキュラムはあるのだけど、自習のときは個々人の裁量で好きなことをする。
かくいう僕も、実習時間を利用してこの文章をつづっているのだが。
ここでの訓練は、おもに軽作業訓練(ボルトにナットをはめる作業や、紙にクリップを挟む作業)
に、データ入力訓練(タイピング練習や、アンケートはがきの入力など)
こういうのは、健常者向けの訓練とさほど変わらないと思う。
ただ、その内容は健常者向けのものに比べるとだいぶん簡単だ。
僕も以前、障害が発覚する前に健常者向けの就職訓練を受けたけれど、
あっちの方が何倍もきつかった。
途中で休憩できる雰囲気じゃないし、毎日毎日、コミュニケーションに特化した訓練がある。
その点、ここは気楽だ。週に一回、フリートークタイムがあるくらいで、
まあ、そのぬるま湯加減のせいで、早期就職への熱意も失われつつあるのだけど。
障害者とひとくちに言ってもさまざまだ。
足が悪い人もいるし、目が悪い人もいる。体に麻痺のある人もいる。
重度の障害があるのも不幸だが、一般人と区別がつきにくい障害者もそれはそれで不幸だ。
で、あんたはどうなの?