2010-03-27

真の非モテキモオタによる「モテキ感想

kanose氏がプッシュしているモテキ

republic1963氏が「あるある」と楽しんでいるモテキ

angmar氏が大ッ嫌いなモテキ

y_arim氏が壁に叩き付けたモテキ

超絶美人スタイリッシュ女性が読んでいるらしいモテキhttp://d.hatena.ne.jp/mamiamamiya/20100130

オタク二次元リア充草食系肉食系イケメン、美女、童貞、非童貞処女非処女、みんなに開かれている漫画とか紹介されているモテキhttp://www.cyzo.com/2009/08/post_2579.html



開かれているだろうか。「真の非モテ」にも開かれているだろうか。かつてmasao_hate氏に噛み付いたような真の非モテ達のような人間にも開かれているだろうか。



y_arim:本当に生まれてこのかた異性とかけらも縁のないキモいやつについてどう思うか久保ミツロウに聞いてみたいな。

y_arim:コンビニ店員くらいしか異性と口利いたことなさそうな極まったひとってたくさん見かけるんだよ即売会とかで……。そういうひとらはモテキ読者から見てどうなんだろうな―と思った。





開かれているかどうかは別として描かれてはいる。超非コミュがたたってアシスタント達に敵対され捨てられた漫画家小野坂オムである。

ネタバレになるが主人公の藤本は彼の読者であり、ヒロインの1人土井亜紀とともに彼を訪ねるシーンがある。

このシーンを私は忘れない。まずオムの描写である。チビでプルプル顔をゆらしながら土井亜紀の胸を服の上から透視する漫画家スコープ・ピィ~ンとかいうキモイ変態描写である。

ふざけてんのか?

そして藤本と土井亜紀は友人関係という事になっているようだが二人にはあきらかに下心が透けて見える。特に藤本は照明助手の明るくてかわいい自称処女や、美人インテリキャリアウーマンモテはじめて調子乗りまくりである(たぶんネットみのもんたってこういうヤツ)。土井亜紀のほうは藤本に気があるのは序盤から変わりないが調子乗りまくり藤本のほうは土井亜紀と「俺とは釣り合わないだろう」とネガティブ垂れ流しつつ「折りあらば付き合える(フッフッフ」とか宇野常寛レイプファンタジーをかましているDQNなのである。



で、この藤本だがいきなり「オム先生可哀そうだなぁ・・そうだ、土井亜紀先生ならお似合いなのでは」と土井亜紀をオムに紹介、土井亜紀とオムをくっつける作戦を始める。そして土井亜紀は皿洗いやカレー作りを藤本とともに行う。オムはプルプル顔を振るさせながらカレーを食べて和んだ表情を見せる。



ここだ。

ここの藤本「うわぁ・・・オム先生が解けていってるー、きもー(オムはキモ顔でキモ表情)」という侮辱ギャグ表現。ここにy_arim氏の疑問に対する答えが詰め込まれている。これが久保ミツロウモテキ読者による真の非モテへの視線そのものなのだ。



作者の久保ミツロウはオムについて「ただのキモイヤツ」としか描写していない。久保の描けない部分、この3人の関係とオムの内面について、替わって真の非モテである私が解説しよう。

まず藤本はなぜオムに土井亜紀を紹介したのか?実はこれ藤本の下心にほかならない。本当は「オム先生より自分のほうがモテる。オム先生と土井亜紀釣り合うわけがない」と思っているのだ。土井亜紀を紹介した真の理由、それは「かわいそうなオムに好きな女を譲る優しい俺」自己陶酔と土井亜紀への印象アピールである。そして土井亜紀のほうもそれを本当は見抜きつつ藤本に対して家事上手で女の子らしい一面アピールを行い「キモいオムみたいな人にも優しい自分」で藤本への印象アップを試みているのだ。「キモいけど可哀そうまオムを2人で助けよう」という美しいテーマで共犯する2人の下心。

一方オムはリアルキャバクラ漫画を描いている人物である。ここでいう「リアル」とは「描かれたリアル」である。この手のあるあるネタの宝庫は現実よりもむしろ書籍である。もちろん「キャバ嬢が教える男の落とし方マニュアル」「小悪魔な女になれる、恋の切り札」みたいな恋愛本を山ほど読んでいるに違いない。それをネタ漫画表現しているからゆえの「リアル」なのだ。このオム先生藤本と土井亜紀の下心を見抜いていないはずがない。しかし「もう駄目だ」「誰か生きてていいと言ってくれ」「誰か1人でいい、僕の手を握ってくれ」状態のオムは土井亜紀笑顔カレーに和んでしまった。そしてその瞬間の描写は「きめぇぇぇぇぷぎょゎ~~」的なものなのだ。

オムのぷるぷると和む表情、あれは「だめだ、和んではいけない、すがってはいけないんだ」という戦いの表情であるにもかかわらず。



これが真の非モテ陵辱漫画でなくて何だと言うのだ?真の非モテの「だめだ、でも・・」と戦っている表情にぷぎゃーするのなんて、非実在少女の「イヤッ・・悔しい・・でも感じちゃうビクッビクッ!」で射精するのと同じようなものではないか。こんなもん読んでたら似非非モテヘイトとミソジニーを同時発症してしまいそうだ。

もう一つ、非モテ藤本モテ島田の関係。なぜか非モテにはイケメンの友人がいる事が多いように思う。一見するとそれは「俺はモテる。くやしいだろ~オラオラ」と「あぁ羨ましいモテないもうダメぽ」な共依存に見えるがそれほど単純ではない。モテとしては非モテはがゆい存在なのだ。非モテ絶望ぶっていながらそのルサンチマンの背景には純愛しているリア充幻想がある。しかしモテのほうは失恋浮気経験していてプチミソジニーであることが多い。モテモテ自慢の真意は「非モテ絶望とか言っているが、いい年してまだ純愛幻想に浸っているのだろう。お前の絶望はヌルい。世界に愛はない。お前は一生それを知らずに死ぬなんて幸せだな」というイビリであり、非モテモテ話受容には「そうか、世界に愛は無いのか・・。ならば絶望する必要もない」という安心感が隠れている。・・のだが藤本島田の関係にはそれがない。ポジティブでバカでいいヤツ島田ネガティブだけど純情で優しい藤本として描かれている(一応藤本が好きなキャリアウーマン島田トイレで喰ったみたいなシーンはあるのだが・・)。これはヌルすぎる気がする。百合オタの「女の子同士の無償の愛の共同体幻想」男verと言ったところか。このヌルい設定のままでもモテ非モテの関係を描写しようとするなら「非モテモテ期」と「モテ非モテ期」を同時に描く、という手もあったように思うが島田はそうそう結婚してしまったので望めそうにない。



っていうかこの漫画いろいろ大雑把すぎる部分が多いのだ。サブカル設定の藤本なのに中学以降二次元でしかマスターべショーンできない設定「オタク」っぽかったりするのだ。ありえないだろこれ。モテない人って二次コンなんだっけ、みたいな、うどんもそばもまぁ同じようなもんだろ、みたいなめちゃくちゃさ。女ってケータイ小説でBL消費している森ガールみたいな感じだ。



y_arim:そりゃなんか倒錯した変態趣味だな。 RT @rdnt: でも心を抉られるのが何故か心地よくてモテキを読んでる俺 #mokradio





なぜ非モテモテキを読むのかというのは、なぜ非モテリア充を羨望するのか、とかオタクによるサブカル嫌悪、に近い気がする。私はハルヒグレンラガンを限定版でDVD集めているキモオタであるが、音楽toeもnano machinevenetian snaresも聞く。Sigur Rósやmúm好きがたたってアイスランド語のアカウントを取ったこともあるくらいである。これは自分キモオタなのにリア充の「かっこいい」を「かっこいい」と感じてしまうからなのだ。おそらくオムも自分キモいと思われていることをわかっていながら三次元の土居亜紀かわいいと思ってしまったのだろう。頭ではわかってるのに欲望がついてきていないのだろう。階層社会について宮台は「断念とリスペクト」を奨励したが・・これコミュニケーションとかサブカルチャー受容とか性癖については変態しか生み出さない気がする。断念は可能でも自分のことを死ねと思ってる人たちを求めてしまうとかリスペクトするとか羨望するとか嫉妬するとかそれ自体倒錯した変態趣味なのだ。y_arim氏はかつて「非モテと敵対する。僕は女の子と仲良くなりたい」と言ったが(y_arim氏は言ってもいいと思うが)これを本当の非モテが言ったとしたらどうだろう。例のTogetterのように生理的な問題として「口も利きたくない」と思われている相手に対して「仲良くしたい」とか求めたり「こっちだって口も利きたくない」と反撃したりする羨望と嫌悪の同居こそ未成熟っぽいというかACっぽくないだろうか。死ねと迫ってくる人々についてはそれが自分よりもどんなに人格的・能力的に優れている人物だったとしても「死ぬかどうかは自分が決める」と言うしかない。ルイズも俺がラノベに入ったらキモがるんだろうなと思うなら破り捨てろ。リンコも俺の事嫌いなんだろうなと思うならDSごと叩き割れ。もっと嫌いなもの同士拒絶し合えばいいのだ。それがミソジニーというならもうそれはしょうがないと言うしかない。モテキとその周辺を見てそう思った。

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    元の漫画を全然知らんので本筋については合ってるのか合ってないのかよく分からないけど、 とりあえず「ケータイ小説でBL消費している森ガール」は普通に存在すると思う。

  • http://anond.hatelabo.jp/20100327174542

    わかる。 というか実際読んでみていわゆる「非モテ」は読者層として想定されていないんじゃないかと俺は思った。 あくまでリア充が描いた非モテの世界、って感じなんだよなありゃあ...

    • http://anond.hatelabo.jp/20100327194032

      横だけど。 ※リア充の定義:恋愛経験が一回以上。 の、「恋愛」の定義は、双方向が成立した場合に限る? 片方向、例えば片想いするだけだって、恋愛経験に含まれるんじゃない? ...

  • http://anond.hatelabo.jp/20100327174542

    この漫画が想定してるのは、現実の女と関わりが全く無いほどの非モテではないけれど、実際に付き合うまでには至らない男達だろう。非モテとモテの中間層、やや非モテよりくらいの...

  • http://anond.hatelabo.jp/20100327174542

    おやすみプンプンを読めばいいと思うよ。たぶん本当の非モテ漫画だから。あの雨の中のシーンなんて泣けてくるわ。

  • よーとモテキ

    モテキ - 真夏に悪い夢を見る http://d.hatena.ne.jp/toya/20100326#p1 真の非モテ・キモオタによる「モテキ」感想。 http://anond.hatelabo.jp/20100327174542 前も書いたけど、藤本、土井亜紀、いつかちゃん...

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