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2023-04-21

anond:20230421153533

1世紀の大プリニウスは、『博物誌』の中で、カエサル名前の由来をこう記している。

Auspicatius enecta parente gignuntur, sicut Scipio Africanus prior natus primusque Caesarum a caeso matris utero dictus, qua de causa et Caesones appellati.(母の死によって産み落とされるとより幸運である。そのようにして生まれた初代のスキピオアフリカヌスのように、また母の子宮を切ったことによってそう呼ばれた最初カエサルのように。また同じ理由でカエソもそう呼ばれる)

— 大プリニウス、『博物誌』第7巻 9章 47節

カエサルが長じてから生母アウレリア・コッタに宛てた書簡存在することから、実際にカエサル帝王切開で生まれ可能性は極めて低い。また、カエサル家はカエサルが初代ではない。

7世紀スペインイシドールスによって記された『語源』では、因果関係が逆転して記されている。

カエサルという語はユリウスに由来する。内戦が勃発するや、彼はローマ貴族として最高の地位を得た。他方で彼は死んだ母の切り取られた(caeso)胎内から引き出されたために、もしくは生まれつき豊かな髪(caesarie)を靡かせた子供だったために、カエサルとも呼ばれた。それ以来、彼の跡を継いだ皇帝たちもカエサルと呼ばれることになった。そして切り取られた子宮から取り出された者は、Caeso あるいは Caesar と呼ばれることになった。

— イシドールス、『語源』第9巻 3章 12

イシドールスによる『語源』は後世に典拠として採用されることが多かったため、caesarという単語は、本来意味と誤りを含んだ由来を併せ持ちながら、16世紀以降成立した帝王切開技術を追うように、ラテン語のsectio caesareaという名称へと結び付いたと考えられる。

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