ボロボロになっても生き続けたいという希望も、自分が衰えきって誰かの世話になりながら生きたくはないからそうなる前に治療をやめてほしい、というのも、どちらもその人の尊厳のあらわれだろう。
ただ、その尊厳をどう尊重していくか、の判断は疲弊しきっている現場に任せてはいけないと思う。そんなケアをする余裕もないだろう。
だからと言って人生会議で家族に任せるのも、関係する家族全てが納得するような結論にたどり着くのは難しいだろう。
法制化したり、法制化までいかなくともその議論のなかで、この条件を満たせば尊厳死を認めてもいいんじゃないか、となれば、その条件を満たしてしまった人は、尊厳死しなきゃいけないという圧力を受けることになってしまう。
でもこれから高齢者は増えていく。どんなに健康に気を遣ってもいつかは限界がくる。
そのときどうするのか、どうするべきか。