2024-08-24

多世界解釈情報理論的定式化

量子観測情報理論観点からエントロピーの減少と意識の移動を定式化するには、以下のような考え方を用いることができる。

量子状態エントロピー

量子系の状態は、一般に重ね合わせの状態にあり、観測前には複数可能性が存在する。この状態エントロピーは、フォン・ノイマンエントロピーとして定義される:

S(ρ) = -Tr(ρ log ρ)

ここで、ρは系の密度行列である

観測による状態の変化

観測が行われると、量子状態特定の固有状態収束する。この過程で、系のエントロピーは減少する。観測後の状態を|ψ⟩とすると、新しいエントロピーは:

S(|ψ⟩⟨ψ|) = 0

となる。これは、純粋状態エントロピーゼロであることを示している。

知識エントロピー関係

観測者の知識は、系の状態に関する不確実性を減少させる。情報理論観点から、この不確実性の減少は条件付きエントロピー表現できる:

H(X|Y) = H(X,Y) - H(Y)

ここで、Xは系の状態、Yは観測者の知識を表す。観測によって得られる情報量は、この条件付きエントロピーの減少量に相当する。

意識の移動と世界選択

量子力学多世界解釈では、観測によって意識特定世界に「移動」すると考えることができる。この過程は、情報理論的には、観測者が特定の結果を持つ世界を「選択」することに相当する。

選択された世界エントロピーは、観測前の全体のエントロピーよりも小さくなる:

S(選択された世界) < S(全ての可能世界)

まとめ

1. 観測前の量子系のエントロピー: S(ρ) = -Tr(ρ log ρ)

2. 観測による状態の変化: |ψ⟩ → S(|ψ⟩⟨ψ|) = 0

3. 知識獲得によるエントロピー減少: ΔS = H(X) - H(X|Y)

4. 世界選択: S(選択された世界) < S(全ての可能世界)

この定式化により、量子観測による知識の獲得、エントロピーの減少、そして特定世界への意識の「移動」を情報理論の枠組みで表現することができる。

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