田舎とか言うとあたかも俺が田舎者じゃないみたいなんだけど、実際には俺も田舎者で、しかもかなり気合の入った田舎者なんだが、まあそれはよくて、スーパーの惣菜がうまいって話ですよ
○○県にしかない、とかじゃなく、○○市と隣の○○町にしかない、というレベルのやつだ
品揃えは大してよくねえ 悪いってわけでもなく、他の店にないものだってなくはないが、店自体があんまり大きくないんで、知れたものだ
値段は結構高い 安いとしたら野菜くらいだが、それだってそんなに安くはない
なんだろう、もう、「店」なんですよね
しかも、気の利いた店だ
そんなもん大してうまくないに決まっている
誰が買うんだ、とすら思う
買って食ってみる
誰もいねえ部屋で、「…これうまくね?」と独り言を言いながら食う そのくらいうまい
キャベツの食感、マヨネーズのきかせ方、コーンの配分、カニカマの量
小鉢まで気配りの行き届いた、何を食ってもうまい店の、まさにその小鉢みたいな味がする
何を食ってもうまい
どう見てもカスみてえな見た目をした売れ残り惣菜ですら、買って食うとうまい
俺があまり外食をしなくなったのは、たぶん惣菜のほうがうまいからだ
家でリラックスして食えるからうまく感じる、とかじゃない 味が純粋にいい
休みの日、朝からスーパーに行って、惣菜を買い込んで家で食ったりする
それは割と担当者個人の力量によるところがあるらしく、ある日突然大好きだった惣菜がなくなって全体的に惣菜レベルが大きく低下した経験がある。