昭和のある時期まで、文学全集、図鑑、画集、百科事典が流行ってたと思う。名画のレプリカとかも。
自分の世代ではすっかり下火だったが、それでも幼き日の新聞広告には全集やけっこう載ってた。
今でも田舎の家にはけっこうあるんじゃないかな。木彫りの熊やペナントとかと並んで飾られてるモナリザとか。
紙の質も印刷も最悪で、今じゃ見るに堪えないけど、カラーページが作れなかったのか、カラーページにだけ石版や木版で作ってたりして技術的に面白い。レプリカとしての質は総じて悪く、昭和を味わうためのものという感じ。
ちなみに、昭和前期の画集とかになると滅茶苦茶な超絶技術でレベルが違う。中期以降のそれは、成金向けを騙すために粗製濫造というやつだと思う。
山師が新聞社に企画を持ち込んで、新聞社の名前で予約をとり、何重もの下請けの果てに、西洋絵画も日本画も知らないが手先は器用な印刷職人が、模写して印刷したんだろうなと。
でもな、それが昭和だったんだ。