話を聞いていても、なにをいっているのかさっぱりわからないひと、というのはよくいる。
なぜ「なにをいっているのかわからない」のか、原因は3つのタイプがある。
1つは、いいたいことがあるんだけどなかなかそこに到達できず、まわりをぐるぐるまわってしまうタイプ。まあしゃべっているうちになんとかなるだろう、としゃべりだしたもののなんともならず、ことばのラビリンスをさまよい続けるんである。これは自分が頭が良いとかんちがいしているひとによくあるパターンだ。こじらせると、わからないほうが悪いみたいな無理筋をぐいぐい押し込んでくるので、気をつけたほうがいい。
2つ目は、いいたいことがあるんだけどそれをそのままストレートに伝えてしまうといろいろと角が立ってしまうから、オブラートにつつんで口あたりよく耳ざわりよく婉曲したり暗喩したりしているんだけど失敗しているケース。気苦労がおおいひとだ。1つ目のパターンとちがい、自己不信にさいなまれているあわれな中間管理職に多いパターンである。
最後の3つ目。いいたいことがない、というパターン。いいたいことがなくても話をすることができる人間というのはけっこう多い。言語はコミュニケーションツールではあるが、ポエムや妄言もまた言語である。不思議ではない。
いちばんやっかいなのはいうまでもなく3番目のひとである。こういうひとにつかまってしまうとまことにやっかいだ。なにか伝えたいことがあるわけではなく、ただ話をしたいだけなんである。もちろんこちらの話など聞く気はないし、