テーマとしてはほしのこえや秒速でやったように、距離や時間が人を分かつことのドラマ性を描くということなので、そこに新規性はあまり無く、
むしろかつては宇宙を用いて膨大な距離や時間、秒速でも子供が大人になる20年程度を使って描いたテーマを、今の俺なら現代社会を舞台にしても3年で描けるという新海誠本人のテクニカル面での洗練さ、自信のあらわれなのかなと強く感じました。
新海誠の鋭さを考えればやはり物語としては「町は救えたけど二人は再会できない」か「町は救えたけど二葉は死ぬ」である方が良かったな、テーマを考えればそうであるべきだよなと思いますが、そこは商業故の大衆に迎合した形なのかなと思います。
テーマ性や失うことの輝きみたいなものを考えると天気の子の方が完成度としては格段に高いなと思いました。
天気の子の良いところは主人公の選択によって世界が変わるという点ですね。
それほどに選択は重く尊重されるというところが大変に良いと思いました。
天気の子の世界にもヒロイン一人を犠牲に人類を救うべきという人もいたでしょうが、選択するのはお前ではないということを突きつけるのも良い。