クラスで家畜を育てて食べるという、実際にあった授業を元に作られた映画らしい。
豚との絆を育む学生達の描写や、教師側や大人たちの視点も描いているあたり、テーマに真面目に向き合って作ってあるなあとは思う。
その他の選択肢もあることを提示しつつ、最終的にきっちりと決断がなされるのも物語としては収まりがいいかな。
ただ、これは本作の主旨そのものの難点だけど、他種に対する命の向き合い方って結局どこらへんに線を引くかって話でしかない(人間目線で見れば)。
そしてどこで線引きしようが、それを人間たちだけで議論している時点で酷くエゴイスティックなのは変わらないわけ。
そのことを多少なりとも分かっている人からすれば、本作そのものが茶番に見えてしまうかも。
逆に、ペットに服を着せるかどうかレベルで思考が止まってる人間には上澄みしか伝わらないか、そもそも理解できない(「ペットと家畜は違う」とか真顔で言いそう)。