もともと潔癖気味ではあったのだけれど、人に対してそれを表明することなく、たぶん気付かれもせずに過ごしてきた。
こんな私にとって、新型コロナウイルス禍におけるさまざまな対策は、もちろん面倒なことはあるけれども、
普段の潔癖的な行動をこっそりやらなくても良いという意味においてはプラスだった。
何しろ、マスクしてても、何か触ったら除菌してても、つり革を持たなくても、別に変わった行動とは思われないのだ。
ただ、あれを見てから世界が変わってしまった。「富岳」による飛沫やエアロゾルのシミュレーションである。
「え、普通にしゃべるだけでもこんなに飛沫が飛ぶの?」もちろん今はみんなマスクをしている。飛沫はある程度止まっているのだろう。
だが、新型コロナが収束したら、みんながマスクを外したら、と思うと、あの映像がフラッシュバックするのだ。
この机にも、この書類にも、このドアにも大量の知らない人(知ってる人もいるけど)の飛沫が飛んでいる。
近くで話せば私の体に大量の飛沫を浴びる。今はそれを必死で頭から追い出し仕事をしている。
会社は少なくとも週2、3の出社が必要な業種で、お客様や同僚、上司、協力会社などとも対面で話す機会が多いのだが、
あの映像がだんだん頭から追い出せなくなってきて、ちょっともう無理だと思い始めてきた。
でも、対面がない職種に転職したとしても、生きていれば、いろいろな場面でこれからもたくさんの飛沫を浴びて生きなければならない。
あんな飛沫の飛散の話なんて富嶽使うまでもなくブラックライトで前からわかりきってた話なんだが?そんな事も知らないでどこらへんが潔癖症なんすかね