閉会式も終わり、17日間に渡る祭は閉幕した。様々なスキャンダルが見苦しさを演出し、もたらされる筈だった経済的恩恵もコロナ禍が打ち消した。開会式や閉会式は満足がいったものとはとても言えず、果てはパリ五輪の演出の方が良さそうと言われる始末。観客や観光客もおらず、あるのはオリンピックに伴う様々な制限と、首都東京でのコロナパンデミックのみ。
ここでふと思ってしまうのだ、もしコロナ禍がなければどうなっていたのか、と。コロナ禍さえなければ、最高のおもてなしで日本をアピールし、今後に繋げていけたんだと。こんな、よくわからない名誉しか得られなかった強がりの五輪ではなく、スキャンダルまみれで中途半端になった開閉幕式でもない、素晴らしい五輪が開催できたのではないか、と。
多分、そんな思いが、特にお偉い方にありそうな気がする。そうでなくても、一部の日本人には燻って、五輪の度に思い出させられる気がするのだ。
そして、恐らく50年後とかに、また招致活動が行われるのだろうなと思う。あの時出来なかった五輪を今再び日本人の手でやろうじゃないか、と。
そういう、五輪へのトラウマと、トラウマの克服に向けた思いという呪いをかけられたのが、今回の東京五輪だったんだろうなと思う。