【G1復刻】ライスシャワーがマックイーン3連覇の夢粉砕/天皇賞・春
ライスシャワー(牡5、飯塚)が無敵マックイーンを倒して古馬日本一の座に輝いた。
10万人の観衆を集めた大一番、第107回天皇賞(春)は単勝2番人気のライスシャワーが断然人気のメジロマックイーンを直線で突き放し、3分17秒1と従来の記録を1秒7縮めるウルトラレコードで優勝。ミホノブルボンの3冠を阻止した昨年菊花賞に続いて二つ目のG1を制覇するとともに、メジロマックイーンの3連覇、武豊騎手の5連覇、3週連続G1優勝の夢を砕き、世代交代を高らかに告げた。
トウカイテイオーに並ぶことさえ許さなかった孤高のステイヤー、メジロマックイーンが今、後ろから来た馬に並ばれている。武の驚くような顔が勝利の確信をより強いものにした。首を振って食い下がる芦毛の怪物をラスト300メートルで突き放す。2馬身半の決定的な差をつけ、政権交代を告げるゴール。
「菊花賞よりうれしい勝利です」。殊勲の的場は声を震わせてその感激を語った。ふだんは控えめで地味な的場騎手が珍しく何度も馬上で右手を挙げ、勝利を誇示する。それは、ひそかに胸の中にしまいこんでいた、関西の人気騎手武、関東の第一人者岡部への勝利宣言でもあった。
ミホノブルボンの3冠を阻んだ時は、思わぬ憎まれ役になった。今度はマックイーンの3連覇を阻止。だが、もう的場もライスシャワーも悪役ではない。世代間の戦いに勝ち、頂点へ上りつめたチャンプだ。