2020-09-02

友達のお通夜の話

数年前に友達が亡くなった。幼馴染でまだ30代になったばかりだった。

友達のお母さんの希望で、お通夜お葬式には出来るだけ同級生もたくさん来て欲しいとのことだったので、幼馴染以外の同級生となんて全く連絡を取ってなかったけれど思いつく限りの人には連絡をし、情報拡散をお願いした。どれだけの人が来るか心配だったけど、お通夜には思った以上の人数が集まってくれて同窓会のような雰囲気になっていた。

成人式ぶりに会う仲が良かったクラスメイトと話していると悲しいだけでなく自然自分たちの近況の話にもなった。うその話の流れで何度か「私たちも30過ぎだけど、まだまだこれからよね!」という声が聞こえた。周りはみんな、そうだと同意する空気だったと思う。私はその発言が本当に信じられなかった。お前、同級生のお通夜に来てるの忘れてるの?そうだよ、アイツは、まだまだこれからだったんだよ。

子供の時からの夢を叶えるために上京して、やっと夢が叶ったところで病気が発覚し、長く入院をして退院することなく、この世を去ってしまった。本当に「これから」の人だった。

もう数年前の話だけど、今だに定期的に思い出して、思い出したらしばらくは引きずって悲しくなってしまう。最初の頃は発言元のクラスメイトを、何てデリカシーのないやつだと怒っていたけれど、今では多分それだけじゃなくて、どうしてこんなに悲しいのかが明確に言葉にできてしまったのが余計に辛くなるんだけど思う。

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