リュウゼツラン属のこと。この名称は、小型の鑑賞用のものにも用いられる。糖分を多く含み、甘味料としたり発酵させて酒にしたりした。プルケやメスカルがそれだ。テキーラはメスカルの一種。また、その繊維から縄を作ったり、燃料にしたり、屋根をふくのに用いたりもする。葉を絞った液体は石鹸としても使える。花茎は、剃刀の革砥代わりとなり、花茎は管楽器のディジュリドゥにも用いられ、高く評価されている。
ディジュリドゥとはアボリジニの金管楽器である。木製ではあるが発音原理から木管楽器ではなく金管楽器に分類される。シロアリに食われて筒状になったユーカリの木から作られ、それにまつわる複雑な儀礼がある。女性が触れると妊娠する、いや不妊になる、などといった信仰がある。その名を出したり、楽器を見ることさえ禁じられている、特殊な儀礼に使われる特殊なディジュリドゥもあるとのこと。ディジュリドゥはその音を聞いたヨーロッパ人がつけた擬音語の名前だ。ラッパのことを「ぷっぷくぷー」と名付ける感じか。先住民たちは様々な名前で呼んでいる。現代は、ポリ塩化ビニル製のものもあるとのこと。
ちなみに、何で金属じゃないのに金管楽器と呼ぶのかというと、演奏者の唇の振動によって発音する管楽器が金管楽器の定義だから。奏者の唇の振動によらない方法で発音するのが木管楽器。