風呂上がりにストレッチをした後、暑いのでその日は珍しくベランダから夜風に当たることにした。
空を見ると、月が出ている。
月明かりが、周りを照らしている。
ここは、都会のような場所ではないため月明かりだけで周りが見えるくらい明るい。
空には、うろこ雲が広がっており月明かりでよく見えた。
当たり前のことだが、夜でも雲は出ている。
日中は雲と空という印象が強いが、夜では月と星という印象が強い。
夜だと雲の印象が弱くなるのは、日中と比べて光が少なく雲の姿が見えづらいことが影響しているように思う。
月明かりで、うろこ雲が照らされている状態だと空が楕円状に見えて、地球の丸さを実感した。
空が、いつもより低いように見える。
空というものは、とても高いものという印象があるが、今はどこか手が届きそうな存在に思えた。
いつもの地球より、もう少し小さい小惑星になったような感覚だ。
普段はディスプレイや部屋の中のものばかり見ることが多いので、自然の規模のデカさには毎回驚く。
しかし、そのことを知っていても月が自ら光を発しているように見え、反射の光とは思えないほどである。
さらにこのとんでもない規模のものを、研究して謎を明らかにしようという人もいるのだからこれまたすごい。
人間という自然や宇宙と比べたら、比べものにならないほどちっぽけの存在なのに、それらの謎を解き明かしていこうというのは途方もないことに思う。
今分かっていることでも、その天文学的数字のあまりの数値の大きさに、驚愕というよりも実感がわかないというのが正直なところだ。
そんなことに思いを馳せながら夜風に当たっていたが、そろそろ虫に噛まれそうなので部屋に戻る。
体も良い感じに冷えた。