そこを理解しないと分かりあうことは出来ない。
あなたが上司に対して「コイツ全体のことなんて何も考えてないんだろうな」と不満を持つ時、上司は上司なりに今手元に揃った材料を元に何かしらは考えている。
部下も、同僚も、取引先も、それぞれがそれぞれの経験や得られる情報を元に様々な判断を行った結果を出力している。
それに対して「何も考えずに適当にコレを出してきただろ」と考えてしまうのはよくない。これは自分の精神衛生上の問題だ。
ましてや態度に出すのは最悪と言える。これは社会通念上の問題であり、それもかなり多くの分野において厄介な問題を無数に巻き込んでしまうたぐいのものだ。
人間は考える葦であると言ったのが誰だったか、生きるだけで精一杯でそんなことすら思い出せなくなってきたが、その中で少しだけ分かってきたことがある。
人間という生き物はよほど肉体的な条件反射、無条件反射を他としては、考えることなしに出力を弾き出すことは不可能に近いのだ。
皆何かを考えている。それぞれが必死になって。
もしもそれで導かれた答えが考えなしのソレとしか見えない時、足りないのは彼ら彼女らの考える力や意思ではなく、時間や情報の方であることを真っ先に思いつくようにしなければいけない。