私は◯◯のこと愛してるよ
と言われた。
大人数のご飯の席でのひと時。突然の言葉だった。別に彼女でもないし、気の合う友人が発したその言葉。よくある話題で好みのタイプの話をしていたときである。お互いお酒も入っていたし、冗談のつもりの一言なのだと思う。
自分は慌ててとっさに
とだけ言ったが、正直どんな顔をしていたのかはわからない。なぜなら、その席に自分の好きな女子がいたからだ。もう一年くらいか、想いは募る一方で告白することはできていない。同い年のその子はどうやら年上の男性が好みらしい。どうやってアプローチすれば良いのかずっと分からないでいる。このままではいけないと思っているが、一歩踏み出すこともできないスパイラル。
愛してる
この言葉を受け取ったときの甘酸っぱくて、なんだか心がオレンジ色にジワリと満たされる感触の心地よさをふと味わってしまい、より切ない気持ちになったのだった。