何年か経って、そうかあれはそう言うことだったんだなと気付かされる時がある。
ほぼ毎日の事なので気にとめなかったのだが、
父がうるせぇええ!! と声を張り上げて家を出て行ってしまったことがあった。
普段、父はあまり喋るタイプではなく喋るとしてもテレビを見ながら文句をボソボソという程度だった。いつも死んだ目をしていた父、無気力でテレビを見続けていた父。
そんな父が家出したので、私はちょっと心配になり家の周りをウロついているとすぐ近くの公園のトイレの鏡の前で父がすすり泣いていた。
正直 その時驚いて見てはいけないものを見た気がして直ぐに家に踵を返した。
大の大人が情けないな〜
ほんと駄目だな うちの父親って
と当時は本気で思っていた。
私は今年40になる。当時の父に一言言うなら、
大変だよなぁって
他にやりたいことあっただろうし、お金も自由に使いたかっただろうに。
あの死んだような目は実は訴えかけてたんだよなって。 父である以上弱音は吐けない。
不器用で根っこは真面目の男を家族みんなで支えるべきだったね、
今はそう思います。