2019-01-21

ねえ、答えてよ!

昨日、私は、久しぶりにヒステリーを起こした。

午後、仕事休みの夫がふらりとどこかに出かけ、小一時間ほどして帰ってきた時のこと。普段なら「どこ行ってたの?」とわざわざ聞かない。パチンコ本屋喫茶店くらいしか行くところがないのは、よく知っているから。いつものことだ。しかしその時はなんとはなしに訊いた。

夫は、そういう質問に答えるのが面倒な時は答えない、非常にものさなである。私の言葉遣い咎めるような調子がある時は、特に答えない。

その時は別に咎めるような調子ではなかったはずだが、よほどめんどくさかったか、疲れていたのか、聞こえないふりしてやりすごそうとした。私も普段なら「あーまただよ、しょうがないな」と思い、自分用事に戻る。

しかしその時はなぜか、どうしても答えさせたいと思ってしまった。それで私は夫のすぐ傍まで寄って、同じ質問を繰り返した。

「どこ行ってたの?」

「‥‥」

「ねえってば」

「‥‥」

ちょっと。どこ行ってたのって訊いてるの」

「‥‥」

「なんで無視するの、人が訊いてるのに」

「‥‥」

「答えてよ、どこ言ってたのよ」

「‥‥」

「ねえ、訊いてるでしょ、どこ?」

「‥‥」

「どうして答えないの、いい加減にしてよ、ねえねえどこってばー」

「‥‥」

「こら!答えろよ! 答えるまで離さないからねっ」

「‥‥」

「どうしても答えないなら、こうしてやる!」

「いたい」

「じゃあ答えてよ! 答えるだけじゃん、なんで言えないのよ!」

「‥‥」

「答えてよ!私が訊いてんでしょ、答えてよ!何でもいいから答えてよー!!」

「大声出すなて」

「出させているのはそっちでしょ、答えて!ねえ!どこ?どこ?どこ?パチンコ?パチンコでしょ?本屋?喫茶店?ねえどこ?!」

「‥‥どこでもいいだろ」

「なに?! どこでもいいだろってどういうこと?こんなに訊いてるのに!答えるのが普通でしょ、答えないっておかしいでしょ?」

「もうやめ‥‥」

「いやだ!答えてよ!ねえ答えてよ!お願いだからぁ!私が訊いてんだからぁ!普通に答えてよう!!」

「‥‥」

くそ、もう、答えるまでずっとこうしてるから!」

「‥‥」

「あ、あんた、私をもっと怒らせたいの? こういうことされたいの? ねえそうなの? ねえええ!!」

「‥‥」

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