2019-01-19

文章感情は乗らないということを人類もっと自覚すべき

「そういうのやめたほうがいいよ」

と言った人が笑っているのか怒っているのか泣いているのかは、文章からではまったく分からない。

からないことが普通で、これを文章力がないからだと思ってはならない。

ニュースサイトによく芸能人発言を書き起こした記事が載っているが、元の発言映像で見るとぜんぜん印象が違っていたりする。

でもそれは記者技量が低いからではない。

文章というものが持つ欠陥なのだ

文末に(笑)を付けることを、若者言葉のようなもので、低級な表現だと思っている人は多い。

しか(笑)は、戦前国会議事録にも使われている歴史のある表現であり、そのような小細工を発明しなければ、文章感情を載せることはできなかったと言える。

と同時に、それから何十年かけても、そのような記号表現に頼らざるを得なかった、とも言えるのである

小説家は、一冊をかけ、ひたすらに言葉を尽くし、描写を重ねることで、登場人物感情を読者に伝えようとする。

そこまでしないと伝わらないものなのだ

我々も普段から「この文章を書いた人は怒っているに違いない」といった忖度には慎重を期すべきである

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