「そういうのやめたほうがいいよ」
と言った人が笑っているのか怒っているのか泣いているのかは、文章からではまったく分からない。
分からないことが普通で、これを文章力がないからだと思ってはならない。
ニュースサイトによく芸能人の発言を書き起こした記事が載っているが、元の発言を映像で見るとぜんぜん印象が違っていたりする。
文末に(笑)を付けることを、若者言葉のようなもので、低級な表現だと思っている人は多い。
しかし(笑)は、戦前の国会議事録にも使われている歴史のある表現であり、そのような小細工を発明しなければ、文章に感情を載せることはできなかったと言える。
と同時に、それから何十年かけても、そのような記号的表現に頼らざるを得なかった、とも言えるのである。