2018-10-24

猫が死んだ話

気持ちの整理に書かせてもらう。

 

数年前、最愛の猫が死んだ。

の子が死んだら自分も生きていけないとすら思っていた猫だった。

それなのに実際のところ、自分は涙を一滴も流さず、それどころか悲しささえ感じなかった。

自分のことをよく泣いてよく笑う人間だと思っていたから、この感覚は凄く奇妙だった。

どうして何も感じないんだろう?

猫の死を実感できていないのか。ショック過ぎるのか。もしかしたら本当は愛していなかったのか。自分は薄情なやつなのか。

そもそも生き物が生きて死んでいくことに意味なんてないのではないか

何年も考え続けた。どこか冷めたような気持ち生活しながら、ぼんやりと。

 

最近、なんでもないような瞬間にふと、あることに気付いた。

あれからずっと心のどこかで、何かが欠けたような感じがしていること。

 

衰弱して目も開かないような子猫の頃、一度は処分されそうになったところを引き取った。

臆病で人を怖がって、でも自分のことは気に入ってよく傍にいてくれた。

最期に見つけた時、まだ体が柔らかくて、太陽の熱で体があたたまっていたから、生きてるみたいだなって思った。

あたたかさ、柔らかさ、よく居た寝床お気に入りごはん、抱っこされるのが好きだったこと。

自分にとってあの子のすべては、死んでしまたことへの悲しさじゃなく、一緒に過ごした時間の方だった。

そんな単純なことをようやくちゃん理解できて、はじめて涙が出た。

 

生き物が生まれて生きて死んでいくことに特別意味なんかないんだって、この数年間ずっと思っていたけれど、

の子が生まれて傍で生きてくれたことには心から感謝してる。

最愛の猫が、一緒に生きてくれた。こんなに幸せなことはないと、今でも思っている。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん