スヴァーハー (स्वाहा [svāhā])は、密教に於いては真言の末尾に多く使われる言葉。一般には漢訳の薩婆訶(ソワカ)として知られる。
この言葉は本来、バラモン教の儀式において、天上の全ての神々に捧げられた供物の事を指していた。またそれ自体が神格化され、祭火の神アグニの妻の女神とも考えられている。
儀式の際には、供物を祭火に投じる時の掛け声としてこの言葉が唱えられた。この為、後には「スヴァーハー」は、願いが神々に届く事を祈る聖句とされた。
インドで崇められる幾多の女神の中に、スヴァーハーという女神がいます。
スヴァーハーはヤジュニャなどの火の儀式において、火へ供物を捧げる際に繰り返し唱えられる言葉でもあります。
供物と共に捧げられるスヴァーハーという言葉は、「奉納」を意味し、私たちの祈りや捧げ物を神々のもとへ届ける重要な存在であると言われ、女神として崇められています。
スヴァーハー女神は、火神アグニの妻として伝えられますが、女神崇拝の中で中心的に礼拝される存在ではありません。
しかし、スヴァーハーの言葉がなければ、神々は私たちの祈りを受け取らないとも言われるほど、儀式においてはとても重要な存在です。
スヴァーハーは精霊でありながらも、恋に落ちたアグニ神の愛を勝ち取るために、自分自身を捧げるほどの大変な努力をし、女神になったと伝えられます。
アグニ神とのさまざまな神話も伝えられ、カールッティケーヤ神(シヴァ神の息子であり、ムルガン神とも)の母であると伝えられることもあります。
祈りと共に、火に捧げられ灰になるスヴァーハー。
そうして自身の内が浄化される時、私たちは大きな至福と平安を手にすることができます。
スヴァーハー女神は、夫である火神アグニが火として燃えるための力でもあります。
スヴァーハー女神がいなければ、アグニ神も炎を上げることはできません。
私たちがこうして生きる日々の中にも、そこには常に力が存在し、さまざまな形で私たちを育むその力は、ここで女神として崇められています。
サンスクリット語の「svāhā」(スヴァーハー)という単語には、神々への供物、奉納、火神アグニの妻、などという意味があるらしい。