風の名前を読んだ。長い物語だったっていうのが第一印象。でもってこれだけ長いのに、まだ物語を展開する下地ができただけっていう進行速度にびっくりした。
話としては面白くないわけじゃなかった。物語の世界観や地理、歴史、伝説など、たくさんの要素が細微に至るまで練り込まれていて、綿密に描かれていたのは純粋に面白かったし好感が持てた。
ただまあ思っていた以上に地味だなあって感じてしまった。異世界の社会や情景を丁寧に演出している一方で、派手な演出があるわけじゃなかったのが物足りなかった。
ドラゴンとカ妖魔とか魔法とカ、一応出るには出るんだけど、なんかしょぼい。主人公はのちに人々の間で伝説として噂になるほどの人物なのに、まあ普通の十代中ごろの生活をしているし。
伝説と実像が違うのはままあることなんだけど、なんというかもっと派手な展開があると思っていたのになかったのが本当に残念。