出来ない事だらけやってない事だらけになるのなんて当たり前だ。
人生はどこまでも選択の連続で、それは可能性を切り捨てて突き進む道だ。
そんなのとうの昔に分かりきってるはずなのに、どうして未だにウジウジとそんな事に悩んでしまうのか。
世界の広さなんてとっくに知っているのに、何でその全てを手に入れないと気が済まないような衝動に振り回されるのか。
手に入れられた物よりも手に入れられなかった物を比べてみれば、手に入れる事ができなかった物の数が圧倒的に多いのだから後悔するのは当然だ。
他人の人生をあれもこれもと羨めば、1人で74億人に挑むような無謀な勝負に出る羽目になってボロボロの返り討ちだ。
分かっているのに不安になる。
怖がる時間で楽しいことを考えろと言う自分と、そうして怖がる時間も大切だと言う自分が分裂しそうになる。
そしてその広すぎる世界は日々広がる。
誰もが創作と呟きを可能にする時代において、それらの一日分を読み漁るだけでも、1人分の人生を覆い尽くせる気すらする。
割り切らないとやってられない。
だけど、割り切ることを目的にすればただ楽な方へと流れてしまいそうになる。
少しでも豊かな方へと辿り着きたいが、豊かさばかりを目指せば目移りしすぎて思い悩む。
どう生きればいいのかがこの年になっても分からない。
今までの人生をどう生きればよかったのかを悩むのはやめられても、これからの人生をどう生きればいいかを考えない訳にはいかない。
ちっぽけな1人の人間のくせに、自分の人生においては主人公として振る舞わないといけないというのは実に重苦しい。
道を必死に選ばなければきっと後悔し、道を必死に選びすぎれば自分を見失う。
力の加減が難しい。
俺には人生は難しすぎる。
なぜいきなり本番の人生を与えられるのか。