長椅子の三人座れる場所の真ん中にサングラスを掛けて黒い帽子に黒いシャツに黒いズボンに黒い靴の前身黒尽くめのおじいちゃんが腕を組んで大股を開いて一人座っていた。
すませんねという感じで手刀をかざしながら開いていた隣りに座ると、いきなり足をダンダン踏み鳴らし手をブンブン振り回して大激怒。
あっけにとられていると立ち上がりこちらを指差して日本語に聞こえない言葉で叫んでる。
何だったんだろと思いつつも、気を取り直してタブレットで読書開始。
二駅くらい経過したら、またそのおじいちゃんが帰ってきて目の前でこちらを指差して日本語には聞こえない言葉で罵って今度は降りていった。
一体何だったんだろう、もしかして呪われた?
同じ路線で、別の時間帯に三人座れるスペースの真ん中が空いてたので座ると先に座っていたサラリーマン風スーツ姿の身なりの良いおじいちゃんがこちらに向いて。
「すまんが、どこかに移動してくれ」とおっしゃる。
え?と思って「なんで?」と聞き返すと「嫌だから」とのこと。
気味が悪いので、別の場所に移動して座ってそっと覗き見ると今度は制服姿のJKがそこに座った。
また移動してくれと言うのかと思うと、今度はなんだかそわそわしだして懐からスマホを取り出して忙しくなにやらタッチしまくっていた。
あれもいったいなんだったんだろう。
この二人のおじいちゃんにはその後遭遇していません。
そりゃ汗臭いデブが隣に座ってきたら誰だって嫌だろうに。