2016-02-21

私に恋をしてしまった

22歳女、卒業間近の大学生

私は生まれつき、下顎が出ていた。

顎変形症というちゃんとした病名があるらしい。

食事自体はなんの問題もなかったが、

いちおう女として、多少はコンプレックスはあった。

ちょっと話は飛ぶが、

この夏、私は三年半もの術前矯正を終えて、

ついに下顎を後ろに引っこめる手術した。

手術が終わると私の顔はパンパンに腫れあがり、

おたふくさんみたいになった。

でも一ヶ月も経つと、腫れも完全に治まり

私はまた今までの生活を取り戻していった。

違和感は今年の正月実家帰省していたとき

化粧をするため、母の部屋の大きな鏡の前に立つと、なぜかドキッとした。

この胸の高鳴りはなんだろう、まあまさか、とは思いつつ、

22年間見てきた姿じゃないかと、自分を納得させようとしていた。

そして実家でのある朝、私は布団から出るのがだるくて、

寝っころがって、顔の手入れ(オブラート表現)をした。

私はじっーと自分の顔を見つめた。

「あれ?かわいい…」

鏡に顔を近づけた。危うく鏡にキスするところだった。

やっぱりそうだ。私は私に恋をしていた。

それから大学に戻って、私は付き合っている彼女

自分(彼女)のこと好きになったことってある?」

と訊いてみた。

「何言ってんの? うち、○○(私)の彼女だよ?」

と笑いながら彼女は言った。

でも、私は私に恋をしてしまった。

毎晩ベッドに入って、私はおやすみの前に鏡を見る。

明日も頑張れそうだ。

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