婚活と言ってもどこかに登録したというわけではない。たまたまツテがある所にという感じで、気づいたらそうなっていたという話だ。
高学歴女子とでもいうのだろうか、自分はひとカドの人間ではないかもしれないが、彼女たちはおしなべて、しっかりとした知識と理性を持っていて、自分が相手にされなかったという事はなかった。
デートそのものは楽しかったし、何人かとお付き合いもしたのだが、やっぱり結婚には厳しいと思った。
正直に白状すると、これは自分の器の問題で、彼女たちの問題ではない。
彼女たちは、ほぼすべて仕事でそれなりの成果(と外部からは見える)を楽しんでいる人達だった。
そして、自分もだ。
結婚を意識して話をした時に、もちろん二人の方向性が満足させられるものであれば一番良かったのだが…。
残念ながらお互い業界も違うし、生きている世界が違うことを実感しただけだった。
本当に僕が彼女たちを愛せていれば、僕のキャリアややりたいことを諦めて彼女たちについていくと言えていただろう。
そして、聡明な彼女たちはそれを気づいていた。「ああ、あなたもそういう男の1人なんだ」と。
彼女たちには彼女たちのやりたいことが有り、僕はそこには思い入れはない。お互い、家族も子供も欲しいと思うが、それとやりたいことも同時に成し遂げたい。
こういった優れた女性たちを満足出来るだけの財力、器量は僕には無かったのだ。