夏が近づいて来ましたね。
猛暑まで蝉の声は聞くことはないだろうな、と感傷に浸っていましたところ。
鳴きました。嗚呼、若い雄が雄叫びをあげ、己の青い生臭い生命を発散するがごとくの鳴き声が下階からきこえます。
シングルの部屋に、雄が三匹でしょうか。
この世のものとは思えない奇声が、深夜、住宅地にこだまします。
ウェーイ!
に心底怯えました。
おらーおまえー!ウェイウェイ…ゥラィ
いっしゅん落ち着く。
ウェーーーーーーイ!
平日の深夜になにやっているんでしょうかね。
安心してください、そのウェイウェイは充分すぎるほど届いています。
きみたちがおもうほどこのよはあまくない。
本当気をつけて。
きみらがウェイウェイ騒いだ余韻に乗っかってくるから。
犬と猫が。
隣のセントバーナードが切ない遠吠えをした皮切りに、向かいの家に住む4匹の小型犬がキャンキャン鳴き、
はす向かいの大人しいよくわからない雑種が怯えてヴァンヴァン言った直後に
階下に住む猫ちゃんたちがここぞとばかり喧嘩おっ始めてナーオナーオ泣くから。
犬と猫とカラスとウェーい。
お願いだから静かにしてください。