2015-05-10

町で子ども連れを見るのが辛くなった

嫁が妊娠した。避妊はしていた。だが、諸事情でおろさざるを得なくなった。8割くらい俺の事情だ。嫁も事情理解してくれているので、モメたりした訳ではない。

妊娠の可能性があると分かった当初こそ産みたいという願望はあったみたいだが、市販の妊娠検査薬を使い産婦人科で確定診断するまでの時間で色々と話しあい、お互い合意した。「今回は産まない」と。

正直言うと、新しい生命が嫁のお腹なかにいる、という実感はあまりない。

目の前にいるのは、ただただ体調の悪い嫁である。それがとても申し訳ないと言うか、いたたまれない気持ちでいっぱいになる。そういえば、ちょっとから調子が悪そうだったな。

そして、町で子ども連れを見かけると、特に1〜2歳くらいまでの子をみかけると、昔は嫁と一緒に笑いかけたり、変顔をしたりしていた。それが出来なくなった。「かわいいね」とか嫁とのおしゃべりのネタにすることも出来なくなった。子どもという、その存在、その話題が、さも存在しないという反応を心がけている。

いままで子どもは好きで、出来る限り社会子どもに寛容であるべきだ、と考えていた。様々な場でも主張してきた。しかし、今回の一件で、流産不妊症で悩む人たちの気持ちがわかったような気がする。

なるべく目に入らないように、なるべく同じ世界にいないように振る舞っているのに、泣いて傍若無人自分を主張する子どもという存在を憎いと思ってまう気持ちがわかった気がする。

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