2015-03-05

ウィスキーを飲むことを憶えた。

そうはいっても三日前だ。

さなお猪口とウィスキーボトル本棚にしのばせている。

だんだん、齢を重ねた結果だろうか、ひとりチビチビとやるのが妙に落ち着く。

晩酌日本酒二合ですませている。

ああ、一日の雑務が終わったこの時間が至福の時だ。

なにをして過ごそうが、だれにもじゃまされない。

小さい頃、本当に日曜日がまちどうしかったことを思い出す。

なんであんなにまでも日曜に焦がれたのだろう。

そのくせ、当日はやることも、特別なこともなく死ぬほどの退屈をもてあましていた。

いまのように、ゲームといった電子機器もなく、本当にやることがなかった。

つのころからか、本を読むことを憶えたのは、もっとも金のかからない趣味だったからだと思う。

余った時間はすべて本についやした。

一冊、読破するたびに、己が大きくなれた気がした。

実際はどうだったのだろう。

現実からの逃避・・・・・そうだったのかもしれない。

本の世界に閉じこもり、本当の世界から逃れた。

それに気づいた時に読書をやめた。

そうやって、そうやって、いくつもの迷いと思いつきのような希望にふりまわされて、現在にいたる。



自分人生に悔いはないのだろうか。

もし、あの時ああしていればと思うことはいくつも思いあたる。

けれど、しょうがないのだ。

とにかく、しょうがなかったのだ。

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