2015-03-04

悪魔

私は、男子が履く、先がかなり尖った靴のことを、悪魔が履きかねない印象があるので「悪魔靴(AKUMA-GUTSU)」と呼んでいる。

悪魔靴は履かれる相手を選ぶ。

中学時代やんちゃな先輩。パンクロッカーのようなヘアースタイルで、悪そうなやつが集まる高校一浪で入った先輩。たまに駅で出会ちゃうよね。一応エレキギターのバッグを背負ってるよね。中身がエレキギターなのかは確かめようもないけどね。足元にはトンガリ部がしわしわ悪魔靴。

マクドナルドで隣に座った客。パーカーとかスウェットなんか着てるんだけど、一杯のコーヒーを残り1センチで何時間も粘ってるよね。カタカタと忙しく貧乏揺すりしてるよね。うるせーなって足元を見ると傷だらけの革の悪魔靴。

満員電車で目の前に座ったサラリーマン。一応、よさ気な仕立てのスーツを来てるんだけど、肩がフケだらけだよね。頭もワックスなのか体脂なのかべったりしてるよね。そいつのつま先が自分の足に当たるから、足投げ出してるのかと思って下を見たらGと見まちがえそうな黒光りした悪魔靴。

仕事の取引相手。ビジネスの一部を委託した、服装だけは過ぎるほどのオシャレなおじさん。仕事全然進まないよね。でも打ち合わせには堂々と来るよね。打ち合わせ終わりの見送り時、段差でコケた足を見たら、手入れの行き届き革がいい味出してる悪魔靴。

全て悪魔靴が悪い。

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