正月に某県にある実家に帰省してると、実家近くに住むイトコが訪ねてきた。はてな村のIDを取得したのだという。
「おめでとう」とか「たまに祭りとかやってるよー」とか言ったのだがイトコの顔が浮かない。
聞けば某なんとかというブロガーの村奇譚をたらふく読んで、はてな村が怖くなったという。
はてな村で独り暮らしなぞ始めたら、村に隠れ住むモヒカン野郎に殺されるようなひどい目に必ず遭うんじゃないか、と。
「そんなことはない、ひどい暴力に遭う人が多数派だったら誰も住まない、自分も5年ブクマしてるが、殺されかけたりしたことない」と言ったが、聞く耳持たず、デモデモダッテとブログで読んだはてな村の恐ろしさを力説する。
母が「美味い雑煮出来た」「熱燗ついた」と呼んでるのに、どうでもいいクソ記事の内容を延々聞かされ、もう面倒になり「みんなには内緒だが、はてな村は怖い街だ。その記事の通りだ。村に住んでて変死体を見たことない人などまずいない。村民は人を殺す村民とこれから殺される村民の2種類だけだ。お前も生き延びたければ覚悟しておけ」と声をひそめて、うそぶいた。
イトコは「やっぱり」という顔で帰って行った。
後ではてな村の大学への進学を辞めて、浪人して一ランク下の地元近くの大学に入ったと聞いた。
3年後に法事で会ったら、肩をつかんで「ありがとう。お兄さんは、まだはてな村で消耗してるの」と言われたが、「知るか」と言った。