外を見ると思わずウゥッと唸るくらい人がいて、人の顔が見えて、ヒョッとしてどこを切り取っても人がいない空間がないのでは……と思うので
マンションから抜け出して、くそみたいな、こんなくそ都会から、奇声でも上げて遁走したくなるので、そこでたとえば、誰にかにぶつかって
恋に落ちて、一方的な恋なのですが、それでもあきらめ切れなくて、追いかけるのですが、どうにも距離が縮まらなくて、フッと見るとまだ
マンションにいて、結局ぶつかっていないのが分かって、誰かと思ったらスピーカーとか、あるいはPCの上にあるスピーカーから音が漏れているだけで、
PCと会話をしていただけなので、さすがに本当にしたいとは思っていないから、外に出ることもなくて……、一念発起しようとしたはよいけれど、
やっぱり人間は怖いですから、一歩外に出る、ということが……何かをトテモ冒涜してるんじゃないか……ここを出ることで……何かが壊れるのではないか……
そう思うと、おれ自身ここに留まらないといけない……そう脅迫されている気がして……夢を見るしかないですから、夢の中ではそれこそ、
出会いなんて無尽なので、ちっとも寂しくはない、少なくとも夢では寂しくは無いんです……これは、本当、本当なんですけれど、ハッとして
夢から戻ってきたとき、あぁ、現実なんだなぁって思うわけじゃないですか、それがやっぱり苦痛なんで、また夢を見て、とっかえひっかえして、
まあ……その、いろんな方と寝て、勿論夢なんですけど、ありていに言うなら、その、いろんな膣を経験しまして、剥けたかな、剥けてないかな、ズル剥けかな
といった具合でありまして、イマイチハッキリしないわけで、それも当然で、というのも、いまだに後ろを振り返ってみたことが無いのですから、
自分が何をしてきたのか……これからどうなりたいのか……そりゃあ夢しか見ていないわけですから振り返りもくそもないのですが、ともかく
そんなことを、一切してこなかったものですから、どうしたら戻れるのかしらん……どうしたら、どうしたらと堂々巡りになってしまうのも、まあ
火を見るより明らかなので、一歩!そこを一歩外に出るだけで、これらのモヤモヤ、煩悶、苦悩、それら取り憑かれたような妄想からもきっと
脱出できるに違いないと思うので、電気を消して、鍵を開けて、靴を履いて、服を脱いで、ひとつ、ひとつこなして、ドアを、ドアを――