http://anond.hatelabo.jp/20130504222901
太田さんに関する限り、水嶋ヒロ騒動の発言からも分かる通り、彼は批判することを目的として批判するようなことはないと思う。ラジオでは彼も話題作を読んでいる途中だと言っていたから、しっかりと作品に接した上で分からないと言っているのだと思う。確か、太田さんは村上春樹作品のような小難しいものが、なぜ一般に受けいられるのか不思議だというようなことを言っていたと思う。
僕はそれに対して、村上春樹作品は分かったような気になる、何か得られたような気になるような絶妙なバランスが先天的に携わっているのだと認識している。彼が米語を日本語化して作り上げた文体がその特性のかなりの部分を占めているのだが、太田さんは文学たるもの作者の伝えたいこと、作品のテーマのようなものが不可欠だと真面目に思っているので、昨今の村上作品を受け入れられないんじゃないだろうか。初期作品は思春期の男のどうしようもなさや、社会へコミットできないジレンマのようなものが比較的伝わってきたが、作者の汗の匂いがだんだん薄まっているように僕にも感じられる。もちろんテーマのようなものを持って書いているとは思うが、村上さん自身が「作品は読者のものになって初めて物語が相対化される」みたいなことを言っているせいか、そのような種明かしを全くしないのも作品の神格化に一役買っている。
ちょっとエラそうになってしまったが、要は太田さんは純粋に村上作品を理解できないだけなのではないかなと思っただけの話です。
失礼しました。