現代社会で商品を売ろうと思ったら、広告宣伝は欠かせない。商品がどれだけ売れるか、どれだけ利益をあげられるかは、広告にかかっている。それゆえに、どの会社も大量の費用を広告宣伝に使っている。その結果として、雑誌や新聞が(比較的)安く読めるし、民放地上波テレビは無料で見られる。現代文明を代表する生活スタイルであるテレビ視聴を成り立たせているのは広告宣伝なのである。
商品がとても酷い場合ですら、テレビコマーシャルと営業マンの売り込みで、売り上げナンバーワンということもある。製品の品質が重要なはずのセキュリティソフトでもそういうことがあるのだ。
消費者は商品の質ではなく、テレビコマーシャルで示される商品イメージによってどの商品を買うかを決めているのである。それは結構高い買い物である車であっても、また、その後の人生にとって重要な家やマンションであっても、商品イメージが購入の強い動機になっている。商品のイメージと実質の差から、広告宣伝費が支払われているとも考えられる。そして広告宣伝費によってテレビ局や雑誌社は成立しているのだ。
農畜産物も同様に、テレビコマーシャルとブランドイメージで購入されている。むしろ日本の高い農畜産物を消費者が購入しているのは、ブランドイメージがあればこそだと言えよう。
消費者は広告宣伝によって作られた商品イメージによって商品を買っているのだから、何らかの別の原因によって商品イメージが低下すれば、商品を買わなくなるのは当然である。
また、広告宣伝関連業界にとってみれば、せっかく作り上げた商品イメージが、別の理由によって低下するのは実に嫌なことであろう。それゆえ、広告宣伝関連業界は声を大にして叫ぶのである。
「風評に惑わされないで!」と