為末大氏が戦前のメディアと国民について連続ツイート(https://twitter.com/daijapan/status/1559307120990093312?t=QMhL-RTW0jVvUeoJUbbbVg&s=19)しており、内容としては「戦前、軍部が戦争を主導して国民を戦争に引きずり込んだと思ってたけど、メディアも国民も熱狂していた。世論がひとつの方向に染まり、社会が暴走するのは危険だよね」というもので、これ自体はまあ妥当で、参考文献もしっかりしたものだった。
でもこの一連の主張には重要な前提が抜け落ちていて、それは戦前のメディアは政府に検閲されていた
ということなんですよ。
為末氏は直接にそこまでいわないけど、「戦前の最大の戦犯は新聞だった」みたいなことをいいたがる人が増えてる印象があって、それはかなり過剰だと言っておきたい。要するに現代のマスコミ批判に繋げたいんでしょ。
メディアが戦争を煽り、国民が熱狂したのは事実なんだけど、そのメディアは新聞含め全部政府に内容チェックされて、反政府的なものは修正させたり絶版になったりしてたわけ。それらの著者とか関係者はマークされて不当に逮捕されたりしてたんだよ。
だったらメディアが翼賛的になるの、当たり前でしょ……国家が税金使ってそうなるようにせっせと弾圧してたんだから。
ちょっと前にも「東条英機内閣を選挙で選んだのは日本人」みたいなこと言ってる人を見かけてずっこけたけど、戦前日本の自由度を勝手に過大評価して「国民にも責任が」みたいに繋げる人が想像以上に多い。
そういった指摘にも意味はあるんだけど、大前提として政府の責任を問わないのあればそれはおかしいよ、と改めて書いておく。