昨日、胃痙攣を起こして、胃液もどしつつ、苦しい中、ぼんやり、かつての同僚Tのことを考えてた。
私が初めて胃痙攣を起こしたのは、29歳頃で、仕事ではデスマーチ(デスマ)の真っ最中だった。
過労と睡眠不足が重なって、身体は限界だったんだろうね…。でも、突然、すごい目眩と不快感、吐き気が一度にやってきて、原因も分からなくて号泣しながら便器にゲーゲー戻してた。 それ以降、くせになっちゃってるから、もう10数年のお付き合いになる。
同僚Tとは、その頃一緒にデスマを乗り切った頼れるやつで、「業務システムとかやってたら、身体持たないから、IT業界も辞めたい」とか真っ先に私が相談したのも彼。 会社辞めて、2年位ニートやってた時も、都度都度飲みに誘ってくれたっけ…。
結局、その後彼も身体壊して(慢性疲労症候群と鬱病だったらしい)、会社をやめて、それから転々としてた。 結局、無理が効かない身体になると、仕事をロングスパンで続けられなくて、どんどん蓄えもなくなって、それに伴って精神状態もどんどん悪くなっていった。
宮城県出身の彼は、3.11で家族と大半の親族を失ったことが決定打だったかも。 喪失感で、頼れるのは一緒に住んでる猫だけ、生活保護とアルバイトのプログラムの下請けで、なんとか喰ってる感じだった。 私も、彼には立ち直って欲しくて、金を無心されて、家賃の建て替えとかしてあげた。 40万くらい貸してたんじゃなかろうか。
2年前のある日、警察から電話あって、彼が死んだことを知る。 飼っていた猫が死んで、もう生きていけなくなったから自殺したらしい。
「遺書には、あなたのことが書いてあって、死後のことは任せたい、とあるのですが」
もうこの時ね、彼を殺したいと思ったよ。 っていうか、もう死んでるんだけどさ。 少なくとも、責任感の強い奴だったから、金は返してくれると思ったし、もう一度立ち直る姿を見せてくれると信じてたから、裏切られた気持ちで、悔しくて、久しぶりに声を出して泣いた。
熱い胃液を戻しながら、「もう一度久しぶりにTに会いたいな」と脳裏では思っていた夏の夜だった。