2017-04-03

10年も一緒に暮らしている

大学2年生の4月からAと一緒に暮らし始めて、気がついたら10年が経っていた。

1年生の時に北陸地方都市からやってきた私は、

親の負担を考えて、安い学生寮へ入った。

それが間違いだった。

とにかく「先輩」が嫌だった。それに迎合する同級生も嫌だった。

入寮してすぐのコンパでは、風呂につかりながら、お酒を飲まされる「伝統行事」を強いられた。

「これはイニシエーションなんだよ」と先輩からはきつく言われ、私は大人になった。

私はここをすぐにでも出て行きたかったが、

お金問題と親が心配するといけないので躊躇していた。

そんなある日、それほど仲良くなかったけど、友達の友達つながりで知り合ったAと

たまたま学食で一緒にご飯を食べている時に、愚痴っていたら、

「ほんじゃ、うちへこない?」と誘われた。

それほど仲がよかったわけではなかったので驚いたところ、

ルームシェアしていた子が、大学を辞めるので困っていたところ」

増田なら真面目だし、知らない人じゃないか安心

ということだった。

私には渡りに船で、正月実家に戻った時に親にも説明し、春から引っ越すことにOKをもらえた。

二人暮らしは快適だった。

休みの日にはよく遊びにもでかけたし、課題も一緒に片付けた。

みんなからも二人暮らしを羨ましがられ、共通友達もよく遊びに来てたまり場のようになっていた。

大学卒業する時に、わたしはAとこの生活をどうするか相談したが、

Aは当たり前のように、「え?出ていくつもりだったの?」と言っただけで、私の心配杞憂に終わった。

私は広告代理店デザイン室に入り、Aは有名な建築事務所就職することになったが、

二人ともここから出ていかなかった。

そして10年が経っていた。

私達はこれからどうなるのかなーとぼんやりと思う時もある。

私もAもそれなりに仕事の実績と経験を積んで、大きな仕事担当するようになった。

Aには彼氏がいるような話は聞かないが、男友達がいないわけでも無い。

ただ、ここに連れてくることはない。このあたりの距離感が居心地良い。

昨日、

「居心地が良すぎるのも問題かなー」とふとつぶやいたら、

「そうでもないよ?」とAがおどけて抱きついてきた。

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