大学2年生の4月からAと一緒に暮らし始めて、気がついたら10年が経っていた。
それが間違いだった。
とにかく「先輩」が嫌だった。それに迎合する同級生も嫌だった。
入寮してすぐのコンパでは、風呂につかりながら、お酒を飲まされる「伝統行事」を強いられた。
「これはイニシエーションなんだよ」と先輩からはきつく言われ、私は大人になった。
私はここをすぐにでも出て行きたかったが、
そんなある日、それほど仲良くなかったけど、友達の友達つながりで知り合ったAと
「ほんじゃ、うちへこない?」と誘われた。
それほど仲がよかったわけではなかったので驚いたところ、
「ルームシェアしていた子が、大学を辞めるので困っていたところ」
ということだった。
私には渡りに船で、正月に実家に戻った時に親にも説明し、春から引っ越すことにOKをもらえた。
二人暮らしは快適だった。
みんなからも二人暮らしを羨ましがられ、共通の友達もよく遊びに来てたまり場のようになっていた。
大学を卒業する時に、わたしはAとこの生活をどうするか相談したが、
Aは当たり前のように、「え?出ていくつもりだったの?」と言っただけで、私の心配は杞憂に終わった。
私は広告代理店のデザイン室に入り、Aは有名な建築事務所に就職することになったが、
そして10年が経っていた。
私もAもそれなりに仕事の実績と経験を積んで、大きな仕事を担当するようになった。
Aには彼氏がいるような話は聞かないが、男友達がいないわけでも無い。
ただ、ここに連れてくることはない。このあたりの距離感が居心地良い。
昨日、
「居心地が良すぎるのも問題かなー」とふとつぶやいたら、
「そうでもないよ?」とAがおどけて抱きついてきた。
あら^~ 30超えてもお互い独身だったら……みたいな話はないの?
登場人物の性別につっかかっちゃいけない増田
サンドウィッチマンみたいだな
良縁ですね。 末永く 仲良くしてください。 http://anond.hatelabo.jp/20170403113153