新卒1年目。
希望の会社に一発で内定をもらって、上司も周囲の人も優しくて、仕事もそれなりに任せられるようになって、周りから見れば社会人としての順調な第一歩を踏み出したように見えると思う。
給料はまだ高くはないけど、各種手当、休日はきちんと守られてるし残業もほとんどない。
こういう職場環境や労働条件が保障されてはじめて人間らしく働けたり、やりがいをまっとうに追求できたりするんだろうな、有難いことだなって、未熟ながらに理解もしてるつもり。
つまらない、って思うのは贅沢なんだろうな。
他の仕事に就いた友人や先輩の悲鳴、ネットで取り上げられるブラック就業の実態を見るたびに、「この部分が保障されてる自分が、つまらないなんて言っちゃバチがあたるよ」って言い聞かせてる。
そして、そうやって言い聞かせてる時点で、自分は自分の思いに蓋をして、次第に「つまらない」って思ったこの気持ちにさえも見て見ぬふりをして、何年何十年と生きていくのかなって予感して、薄ら寒い気持ちになる。
勤続十何年、何十年で仕事をこなすベテラン先輩社員を見ては、この人たちも最初は私みたいに思ったりしたんだろうか、そしていつの間にかそんなことすら思わなくなったのかな、って考える。この仕事が好きで誇りを持って働いてる人には失礼な話だけど、そうは見えない人が大多数だから。
「希望の会社だし、頑張るぞ!」って確かに思ってたし、働き続けるということの意味にも考えを巡らせた上で就職を決めたつもりだった。
半年も経ってないのに、こんなにも楽しくなくなるものなんだなって今は思ってる。
そして、こういう疑問すら持たずに働くようになる日が来るのかなって考えて怖くなる。生きていくうえでの疑問を持つことをやめたとき、私はどうなるんだろう。
「それが働くってことだよ、大人になるってことだよ、みんなそう思いながらもがまんしてやってるんだよ、みんなそうなんだよ、仕方ないよ」
先手を打つように、顔も声も知らない「大人」の言葉が頭の中に鳴り響く。
はぁまた月曜日がやってくるよ。
知人は院卒で結構恵まれた職場に一年勤めた後、やっぱりこれじゃないと思ったそうで大学に戻って研究者になった かなり悩みはしたそうだけど 一年ブランクがあったにもかかわらず一...