http://anond.hatelabo.jp/20160604173035
上掲の雑文についたコメントの中に、「自分も『聖書』と『資本論』を読んでみたい」というものがあったのですが、ガイド無しでいきなりこれらの本にぶつかると、誤読する可能性が高いと思い、追記させていただきました。
まず、『聖書』についてですが、これは新共同訳のものを普通に読んでもらえれば大丈夫です。スマホ用アプリの中に聖書が無料で読めるものがあるのですが、訳が古い(?)ため、分かりにくいです。
読んでいてよく分からない点があれば、各種文献に当たるか、詳しい人に聞くと誤読せずに済みます。私は『新共同訳 旧約聖書略解』をよく参照していたのと、牧師さんがYouTubeでやっている聖書解説をよく観ていました(布教活動みたいになるのでURLは伏せます)。
次に『資本論』ですが、これは読んでいると言うだけで偏見を受ける本なので、必要がないならあんまりお勧めはしません。
それでも読むという場合、注意点があります。それは、『資本論』は全3部が有機的に繋がった本だということです。第1部で残された謎が第2部第3部で解決されたり、また、その逆もあったりするので、注意が必要です。読む場合はきちんと第3部まで読み通さないと、確実に誤読します。
この点、『資本論』をいきなりそのまま読んでも挫折するので、多くの人は入門書か解説書の世話になるかと思います。こういった本の中には、残念ながら、著者が第1部しか読んでいないと思われる本が多いです。第1部だけ読む場合、『資本論』の意義はきわめて矮小化されてしまいますので、第3部まで解説された(つまり著者が全ての体系を押さえている)本を選ぶのが肝要です。特に、インターネット上の『資本論』について書かれたサイトはほとんどこのたぐいのものなので、信頼しない方がよいです。
それと、私の表現が悪くて、あたかもビジネス本と『資本論』が同内容かのように思われた方が散見されたのですが、もちろん両者は異なります。そもそも書かれた目的が異なるので相違点を挙げていけばきりがないのですが、一つ言えることは、『資本論』は金儲けに伴うグロテスクな部分(ビジネス本の多くはこれを伏せているか、気付いていない)を明らかにしているところが大きく違います。
大学を出てサラリーマンとして長年働いてきたが、過労とうつで半年間休職することになった。 まとまった時間ができたため、前から気になっていた『資本論』(大月書店の赤い奴で、8...